大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和37(あ)2678 判決

主 文

原判決中被告人Aに対する外国人登録法違反の罪に関する部分を破棄す

る。

理 由

検察官松本武裕の上告趣意について。

記録によつて、被告人Aに対する審判の経過をみると、大阪地方裁判所が昭和三

七年一月一七日傷害、暴力行為等処罰ニ関スル法律違反(ただし起訴状の罪名は強

盗傷人)および外国人登録法違反の各事実につき有罪を認め、前二者の罪につき懲

役刑を、後者の罪につき罰金刑を各選択処断して、被告人を懲役二年および罰金一

万円に処する(五〇〇円を一日に換算して労役場留置、未決勾留日数一七〇日を懲

役刑に算入、四年間懲役刑の執行を猶予、その間保護観察に付する)旨の判決を言

い渡したところ、同月二四日検察官から、右判決中懲役刑に処せられた傷害および

暴力行為等処罰ニ関スル法律違反(ただし控訴申立書には「傷害強盗傷人」の罪名

で表示されている)の各罪に関する部分を限つて控訴の申立がなされたが、被告人

からは右判決に対して控訴の申立がなされないまま、その申立期間を経過したこと

が認められる。したがつて、被告人Aに対する第一審判決中、外国人登録法違反の

罪に関する部分は、昭和三七年二月一日確定し、控訴審には、第一審判決にかかる

事件中前記傷害および暴力行為等処罰ニ関スル法律違反の各罪に関する部分だけが

係属していたものというべきである。しかるに、原審は、右第一審判決にかかる事

件の全部について審判し、右外国人登録法違反の罪についても、第一審判決を破棄

したうえ、被告人を罰金一万円に処する旨の判決をしている。右によれば、原審は、

被告人Aに対する外国人登録法違反の罪について、係属していない事件の審判をし

た違法があること所論のとおりであり、この違法は判決に影響があり、原判決中右

の罪に関する部分はこれを破棄しなければ著しく正義に反するものといわなければ

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ならない。故に、原判決中右部分は判例違反の主張につき判断を加えるまでもなく、

刑訴四一一条一号により破棄を免れない。

なお、頭書被告事件については、被告人Aからも上告の申立があつたが、同被告

人および弁護人渡部繁太郎は、刑訴四一四条、三七六条、刑訴規則二六六条、二三

六条、二五二条により定められた期間内に上告趣意書を提出していない。

よつて、刑訴四一一条一号に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決

する。

検察官 安田道直公判出席

昭和三九年八月四日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 横 田 正 俊

裁判官 柏 原 語 六

裁判官 田 中 二 郎

裁判官石坂修一は海外出張のため署名押印することができない。

裁判長裁判官 横 田 正 俊

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